• 腸の不調・身体の不調はこうして始まる! 腸内環境と身体の症状の関係とは?(カンジダ症、リーキーガット症候群について)その1(1/4)

    腸の不調は、直接的に
    便秘や軟便、IBS(過敏性腸症候群)などと関係していますが、
    腸の状態の悪さは、
    なにも腸だけにとどまっていることはなく、
    身体の色々な部位で発現する病気や状態と、
    それはそれは深く関係しています

    例えば、皮膚の疾患
    例えば、炎症系の疾患
    例えば、遅延型の食物アレルギーなどのアレルギー系の疾患
    例えば、イライラや気持ちの落ち込みなどのメンタル系の状態
    この様な状態と、
    腸の健康は深い関わりがあります
    でも、
    ここにあげたのはほんの一部

    はて、
    腸が関係しているのに、腸以外に現れるって、
    どういうことなんだろう?
    腸以外って、それはどんな症状なんだろう?
    身体のどんな部位が該当するんだろう?
    そして、それはどうしてなんだろう?
    今回はそんなことを紐解いていきます

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    腸内環境と身体の症状と
    カンジダ症とリーキーガット症候群のお話です
    (カンジダ症とリーキーガット症候群という言葉は、
    前回の人工甘味料の記事でも出てきましたね)

    あなたが抱えているその悩みとも関係があるかもしれませんよ

    さて、一つずつ見ていきます

    まず、「そもそも」なところから見ていきましょう
    腸って、
    そもそもなんで存在するんだろうか?

    それは、
    身体に必要な栄養を送るため。
    身体が欲する栄養は腸の壁から吸収されて
    晴れて体内を巡り
    私たちはエネルギーとして
    また、身体の構造(筋肉や骨などとして)として
    使うことが出来るわけです
    腸は、
    様々な物質が私たちの身体に入る
    「通り道」になっているのです

    「通らせる通り道」という裏には、
    腸のもう1つの役割があります。
    それは、身体に入れたくないものを
    通さない=吸収させないという働き。
    「通る物を制限するための通り道」

    例えるならば、
    腸は私たちの「門番」的な存在

    腸は、
    と言いますか、消化器官は
    口からはじまって、胃を通り、腸を通って、
    最後、肛門まで繋がっている一つの管ですね

    この管は、
    食べ物・飲み物が入ってくる通り道。
    ひっきりなしに
    毎日、毎日、
    朝・昼・晩
    腸は、体内に位置していますが、
    外界とのコンタクトがとっても多いのです

    そのことを考えれば
    「何だか外にいる様な・・・」
    そんな感じも受けるくらい
    毎日色々なものに晒されています
    でもこれは、
    人間が生きていく上では切っても切れない営みですよね
    これがないと、
    食べものから栄養を摂れないですもの
    なので、「物を食べない」という選択はない
    じゃあどう対処しようかな?となるわけなのです

    この「なんならちょっと外」の状態は
    身体にとってちょっと危機

    そんな身体にとって「注視」対象の腸の壁(=腸壁)は、
    こんな感じの構造をしています

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    そう、コーヒーのペーパーフィルター

    こんなコーヒーのフィルターみたいな感じの
    働きをする腸壁を持っています

    このフィルターには、見えないけれど、
    小さな穴があいているから
    下にコーヒーが「ぽたり、ぽたり」と落ちるのですよね
    腸の壁の部分にも、
    こんな様な穴ぼっこがあいていて、
    この腸壁を通り抜けられないサイズの成分は
    「これ以上先には行かせません!」となり、
    もし、サイズが適正で通り抜けられると、
    晴れて栄養が「吸収」される
    というロジックになっています

    さぁ、少し前置きが長くなりましたが・・・

    この腸壁に支障をきたしているのが
    リーキーガット症候群

    リーキーガット症候群は、
    英語を直訳したもので、
    「Leaky Gut Syndrome」という言葉から来ています
    日本ではあまりなじみがないですが、
    私がクリニックで働いていた現場では
    よく出会っていた病気の一つ

    どんな状態のことを言うのか?
    この英単語をひも解くと分かりやすいので、
    みていきます

    「Leaky」は、「漏れがある」とか「漏れやすい」とかいう意味
    (何か情報を漏らした時に、「リーク(leak)した」と言いますよね、
    その単語と一緒)

    「Gut」は、消化管・胃腸という意味。
    この単語では、腸を指します。
    (厳密には「intestine」と言う方が正しいのですが、
    このような単語で落ち着いています。)

    「Syndrome」=症候群、シンドロームという意味

    くっつけると、
    「腸が漏れている状態だよ」という意味になります

    日本語では
    「漏出性消化管症候群」とか
    「腸管浸漏症候群」とか
    「腸管壁浸漏症候群」などという名前がついております

    リーキーガット症候群は、
    どうして「漏れる腸」と呼ばれるんでしょう?
    腸壁にどんな支障があるんだろうか?

    この記事の前半で、
    腸壁のことを「フィルターのような」と表現しました
    そこに開いている無数の穴では、
    その穴より小さい成分は通り抜けられて、
    そうじゃない成分は通り抜けられないんだよと書きました

    リーキーガット症候群で起こっている「腸壁の支障」は、
    この穴自体が大きくなってしまうというもの
    通常より多く(正しくは大きなものを)通してしまうから
    「漏れる」という表現になっているのです

    こんな話をすると・・・
    「ん??穴が大きくなるなら、『吸収』がたくさん出来て、
    逆にいいんじゃないですか?」と言われることがあるのですが・・・
    確かに、
    腸壁を通過する=吸収なので、理屈はあってますな
    でも、そう簡単にはいかないのが歯がゆいところ

    前出のコーヒーのフィルターを
    少し思い出してみます

    あのペーパーフィルターに
    (例えば、フォークとかで)
    穴があけられた状態だとします

    そこにお湯を注ぐと
    コーヒーは「ぽたり」と落ちます
    それと一緒に、
    コーヒーの粉も一緒に落ちてしまうでしょうねぇ
    コーヒーに、粉が一緒に入ってたら
    ザラザラして、きっとイヤですよね
    抽出したコーヒーの液体は欲しいけど、
    粉は飲むときはいらないですね
    この状態では、私たちは欲しておりません

    これ、
    腸壁の穴の大きさ次第で、
    身体が欲していないサイズのものが
    一緒に吸収されてしまうことがイメージできる良い例なのです

    これとおんなじ現象が起こっているのが
    リーキーガット症候群

    コーヒーの粉をそのままの状態で飲まないように
    その為のペーパーフィルターがあるように
    食べ物も、
    そのままの状態では身体に取り込まれまれないように
    腸壁がフィルターとして機能してくれます
    その腸壁を、(通常の状態では)通れないものを
    私たちは欲しておりません

    リーキーガット症候群では、
    吸収される「量」が増えても
    吸収されるものの「質」は、
    身体が求めているものではないというのがカギ

    食べ物が腸管を通り抜けると、
    全身の栄養となれるのと同じ様に、
    腸管を通り抜けてしまった(けれど望まれていない)
    物質たちだって、
    晴れて全身へ作用させることができるわけなのです
    だって、門番が通しちゃったんだもの

    リーキーガット症候群の身体では、
    腸壁を通過したあとこのようなことになっています

    体内の免疫軍団たちが
    「ん?コイツ・・・仲間じゃないぞ!」となり、
    騒ぎを起こします(=炎症)

    このような騒ぎの結果、
    アレルギー症状が作られたり、悪化したり
    すると考えられています

    アレルギーは、
    免疫がダウンしていたり
    怠けていたりしているというよりは、
    過剰に働いてしまっている
    ということになるのですね

    そして、
    入ってこないはずのものたちが入ってくると
    免疫軍団が混乱してしまって、
    普段はそんなことしないのに、
    自分を攻撃し始めてしまう・・・
    これが、自己免疫疾患
    (本当はもう少し複雑ですが・・・便宜上かなり端的に表現しています)

    ちなみに、
    自己免疫疾患の発現に
    腸管透過性が増大すること(=腸壁の穴が広がること)
    が関係していると指摘している論文も出ています

    免疫、免疫とよく言われるようになりましたが、
    こんな背景のもと
    免疫とアレルギー、炎症系、自己免疫疾患と腸は関係しています

    リーキーガット症候群と関係の深い症状たちには
    こんなものがありますよ

    例えば、
    遅延型の食物アレルギーとか、
    アトピー性の皮膚炎や湿疹
    花粉症、アレルギー性鼻炎
    それから、
    ぜんそくや関節炎もですね
    アトピー性皮膚炎とぜんそくは
    それはそれは密接に関係しております・・・
    そして食物アレルギーもですね
    ぜんぶがとても悪循環的に繋がっております・・・

    さて、次回に続きます

    腸の不調・身体の不調はこうして始まる! 腸内環境と身体の症状の関係とは?(カンジダ症、リーキーガット症候群について)その1(1/4)
    → 腸の不調・身体の不調はこうして始まる! 腸内環境と身体の症状の関係とは?(カンジダ症、リーキーガット症候群について)その2(2/4)
    → 腸の不調・身体の不調はこうして始まる! 腸内環境と身体の症状の関係とは?(カンジダ症、リーキーガット症候群について)その3(3/4)
    → 腸の不調・身体の不調はこうして始まる! 腸内環境と身体の症状の関係とは?(カンジダ症、リーキーガット症候群について)その4(4/4)

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